経腟超音波ガイド下胚移植法について

当院では現在、「経腟超音波(エコー)」を使用し、膣側から子宮の超音波画像を確認しながら胚移植を行う、“経腟超音波ガイド下胚移植”を行っています。

未だ実施施設は少ないですが、身体の負担も少なく、経腹超音波(エコー)下に比べ妊娠率が良い(当院エビデンスから)ので、こちらの技法を実施しています。胚移植は、ただ子宮内に受精卵を入れるだけではなく適正な位置に移植することが妊娠に大きく関わっていると考えられています。

従来のお腹の上から超音波エコーをあてる方法では、子宮の形状や向きによってどうしても子宮の画像を投影しづらく、移植位置を確認しづらい場合がありました。しかし、経腟超音波を使用することで超音波と子宮との間に障害物が少ないため、より鮮明に子宮の形状を確認することができ、移植位置の決定が容易となりました。併せて、従来の移植方法では移植を行う本人である医師が超音波エコーの操作ができず第3者のエコーの操作を見ながらの移植でしたが、経腟超音波エコーを使用することにより移植位置を決定する医師本人が超音波エコーを操作することができ、より細かく移植位置を選択することが可能となりました。
また、従来の移植方法の場合は子宮の画像を鮮明に移すために膀胱にお小水を溜めて頂くことが必要でしたが、経腟超音波エコーを使用することで膀胱にお小水を溜める必要がなくなり患者様の負担の軽減も可能となりました。