子宮卵管造影検査は造影剤を用いて子宮内腔の状態と卵管の通過性を調べる検査です。
この検査をすることによって
「卵管の疎通性」
「卵管周囲の癒着等の推測」
「子宮内の形状異常やポリープの診断」を調べることが出来ます。
◆卵管は、子宮から伸びる12㎝の管で子宮壁内の間質部(短い)→ 卵管峡部 → 卵管膨大部(長い) → 卵管采(イソギンチャクの触手のような形)になっています。
卵管のもっとも狭い部分は内径がもともと1㎜程度しかない為、感染や炎症などの何らかの原因により、途中でとても狭くなっていたり(卵管狭窄)、塞がってしまったり(卵管閉塞)、卵管采周辺の癒着がある場合があり、これらは「卵管因子による不妊」と診断されます。
◆子宮の形状が下の種類のようになっている方もこの検査により見つけることが出来ます。
重複子宮 | 独立した子宮が2つあり、子宮口も腟も2つ存在するもの |
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双頸双角子宮 | 1つの子宮の中に2つの内腔が存在し、子宮口も2つあるもの |
双角子宮 | 子宮自体がハート形をしていて子宮内腔がくびれているもの |
中隔子宮 | 子宮の形は正常でも内腔に壁があるもの |
弓状子宮 | 子宮の上のほうの“子宮底部”がややくぼんでいるもの |
卵管因子がある場合、自然のタイミングによる妊娠の可能性が低い為、体外受精での妊娠を選択することが多くなります。
子宮卵管造影を施行せずにタイミングのみ取っていて、万が一卵管因子が見つかった場合大切な妊娠期間を遅らせてしまう事になる為、新患で来院された際には必ず行っていただいています。